陰陽食を知って自己管理を

ポーズの前にこころのヨガを

 かの有名なアインシュタインは、「宇宙や生命など、すべてに共通の法則(方程式)があり、それによってすべてが動かされている」と研究し続けていたが、答えは出なかった。

アインシュタインが提示する法則は、相対性理論などとても高度なもので、私たちなどが容易に理解できるものではない。

人類が最初に発見した「法則」は、古代中国の伝説的人物である伏義が唱えたと言われている、「世の中はすべて対(つい)になるものでできており、この世のすべてを司る宇宙の秩序がある」という法則ではないだろうか。

たとえば、膨張と収縮・太陽と月、昼と夜、男と女、右と左、動物と植物、暑いと寒い、戦争と平和、愛と憎しみなど、限りなく・・・。  中国ではこれを「陰陽」と名づけた   

 ヨガでも陰陽のバランスを整える「ハタヨガ(陰陽ヨガ)」が主流だ。

前屈のポーズをすれば必ず反りのポーズもする。開けば閉じる、左にねじれば右にねじる・・・。やりにくい方があれば、それは歪みが原因なので、その歪みを調整しながら人体の陰陽のバランスをとっていく。

飲食物にももちろん陰陽がある。 陰の性質の食物は、筋肉や血管をゆるめて血行を滞らせ、結果体を冷やす。

陽の性質の食物は、筋肉や血管を引き締め血行を促進し、体を温める。 たとえば調味料なら塩・みそ・醤油などの塩分は陽性で、砂糖・蜂蜜などの糖質は陰性。

なので甘い物好きに冷え症は多い。糖質の高いアルコール類もすべて陰性だ。 アルコールを摂ると体が熱くなるからといって、決して陽性ではない。

なぜならアルコールでほてった体は汗腺が開き、一旦体内でカーっとなった熱が開いた汗腺からドッと体外に逃げてしまうからだ。

これはカレーや唐辛子などの香辛料も同じで、食べると汗腺を開き汗を出すことで体を冷やす。

だからカレーは夏のメニューなのだ。

野菜なら、土の上で育つ物は、熱い太陽に向かって伸びている陰性。土の下で育つ物は、土の中で温々と這っている陽性。

夏に採れる野菜は人の体を冷やしてくれる陰性で、冬に採れる野菜は温めてくれる陽性。

アジアや南米など熱い地域が原産の果物やコーヒーは、当然陰性で体を冷やす物となる。

日本でコーヒーを生産しようが、バナナをフライにしようが、陰性という性質は変わらず、「冷やす」のだ。

仮に今が夏なら、体を冷やしてくれる野菜たち、きゅうり・トマト・なすび・スイカなどの最盛期。

暑い夏、冷房も扇風機もない昔の人は、陰性の野菜をたくさんいただいて体温調節を行っていた。

しかし、現代はほとんどの人が冷房の効いた部屋で過ごしている。 汗をかくことが少なくなった現代人は、体を冷やす野菜は不要になったと言っても過言ではない。

反対に真夏でも、身体を温める野菜の方が必要なのではと思われる。 でも、旬の野菜(露地)はその季節こそが一番美味しく「今こそ私たちを食べて」と育った物。

冷え性とは言っても食べたいのが人情。 そこでどうするのかというと、生野菜のサラダ(陰性)なら、そのドレッシングに陽性の塩や味噌や醤油を使えば、「陰陽のバランス」が取れて冷えなくて済む。

なすびは味噌と合わせて味噌炒め、アルコールの肴にはまちがっても糖分ではなく塩分を、果物には塩を振りかけて・・・と、創意工夫でやってみると楽しい。

食材ひとつひとつに愛着を感じてしまう。 神様は万物をよくぞうまく作られたものである。

にもかかわらず、スーパーでは一年中同じ野菜が出回っていて、一体旬の野菜が何なのやらわからない時代。

古代中国が発見した宇宙の仕組みからズレてしまうと、人も世の中もドンドン不健康になってしまう。

食物の性質を覚え、この陰陽のバランスを上手に活用し健康を保ちたいものだ。

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